- 主従会話
「それで、君はどうしたいノ? アンジェロ・アダムスキー。」
「……藪から棒に、何です?」
執事幽霊は、主人からのいつもながら唐突な問いかけに、片眉を上げた。
- 縁のけものの物語
昔々、天界にはこの世のすべての叡智が詰まった書庫があり、書庫には、それらを守るけものがいました。
- 彷徨う鬼火の話
昔々、あるところに、ウィリアムという、悪賢い男がいた。
彼は堕落した人生の末、死んだあとも悪魔を脅迫し、聖人を騙して怒らせ、地獄にも天国にも行けない魂となった。
- 少年が空を知った日
その時、彼ははっきりと自分の運命を感じた。
- 或る飛行機乗りの家族の話
こうして、アルフォンソは両親を失い、
こうして、夫婦は息子を失った。
- 或る飛行機乗りの話
いかにしてアルフォンソ・バラッカという飛行機乗りができあがり、どのように生きたのか。
- 公爵家の悲劇と仮面舞踏会
だから、ゴーストたちはもう一度……
今度は生きているあたたかい体を借りて、パーティーをすることにしたのです。
- 月光の下で君を待つ
満月に見下ろされながら、行き止まりの恋は満ちていく。
- 或る歌手の死
美しく生きられるはずだったミハイル・アントネスクはあの日に死んだのだ。
- 指輪の魔神の物語
ナールはおれを、魔法の指輪に閉じ込めた。
100人の願いを3つずつ叶えなければ解けない呪いだ。
そうしておれは、色んな人間の手に渡りながら、願いを叶え続けた。